Japanese
English
研究と報告
向精神薬物の光誘発θ反応におよぼす影響
Study on the Effects of Psychotropic Drugs upon the Photically Driving Theta Response of EEG
山内 育郎
1
Ikuro Yamauchi
1
1山内病院
1Yamauchi Hospital
pp.25-32
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201557
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精神分裂病患者に,diazepamおよびsafrazineを投与し,その投与の過程にしたがって頭頂一後頭双極導出脳波を測定し,6.5および7.5f/sec閃光刺激を与え,それぞれ自動周波数分析器の6〜7および7〜8c/sec帯域の積分値を測定して,両刺激に対する誘発θ反応を観察した。両剤ともに薬物投与のごく初期にのみ,7.5f/sec刺激に対する反応が大多数の症例にほぼ一致した変化を示した。すなわち,diazepam 10mg静注10分後12例中7例の反応が低下し,safrazine投与第1日目午前中,9例中7例の反応が亢進した。6.5f/secへの反応では,7.5f/sec刺激に対する反応ほど著名でないが,同様の傾向をもった。しかし,両刺激の反応ともに薬剤の投与の持続とともに,誘発θ反応の変動は症例によって異なり,薬剤の影響というより,それによってもたらされる精神症状の変化に平行して,誘発θ反応が変化することが観察された。
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