Japanese
English
研究と報告
Perazine dimalonate注射の臨床経験
Clinical Experience of Perazine Dimalonate by Intramuscular Injection
諏訪 克行
1
,
石黒 健夫
1
,
宮本 忠雄
1
,
島薗 安雄
1
Katsuyuki Suwa
1
,
Takeo Ishiguro
1
,
Tadao Miyamoto
1
,
Yasuo Shimazono
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.799-808
発行日 1969年10月15日
Published Date 1969/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201526
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
Taxilan(BYK・グルデン・ロンバーク社)はpiperazine群に属するphenothiazine誘導体であるマロン酸ペラジンで,母核中に置換基はなく,側鎖にpropyl-piperazinyl-methyl基を有している。本剤の化学構造式は第1図に示すとおりである。
本製剤は最初,制吐剤として用いられていたが,のちに精神疾患の治療にも使用されるようになつたもので,chlorpromazineやlevomepromazineに比べて副作用が少なく,外来患者にも用いられている。本剤についての詳細な研究報告は,1958年,Hippus3)ら,Nieschulz7)らによつて行なわれたが,その後も薬理作用,精神作用について多くの報告がある。動物実験による薬理作用としては,1)自律神経系には抑制的に働き,交感神経系に対する作用が強い。2)鎮静効果はあるが,反応能力には影響がない。3)通常量では血圧,体温への影響はほとんどないこと,などがあげられている。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.