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研究と報告
Flupentixol(FX-703)の使用経験
Clinical Experiences with Flupentixol (FX-703)
仮屋 哲彦
1
,
平山 正実
1
,
島薗 安雄
1
Tetsuhiko Kariya
1
,
Masami Hirayama
1
,
Yasuo Shimazono
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
pp.263-274
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201723
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(1)Flupentixolを,急性精神分裂病3例,慢性精神分裂病14例に用い,急性精神分裂病3例中3例,慢性精神分裂病14例中7例に,「やや改善」以上の症状の改善をみた。
(2)初回投与量は3〜5mg,最大投与量は8mgであった。症状改善の常用量は3〜6mg位と考えられられ、る。ほとんどの症例で,抗パーキンソン剤を併用した。
(3)投与期間は,3〜24週であり,改善例では1〜2週で効果があらわれ始め,多くは5〜6週で改善をみている。
(4)精神症状評価表と行動評価表による効果判定で,比較的よく改善された症状としては,自我障害,妄想,幻覚,動作,患者同志および家族との接触,娯楽運動への参加,作業能力,看護者への応対などがあげられる。
(5)副作用は17例中12例にみられた。なかでも睡眠障害は最も多くの症例で出現し,次いで錐体外路症状が多くみられた。その他,心悸亢進,便秘,食欲減退などがみられた。これらの副作用は,抗パーキンソン剤や睡眠剤の使用により多くは消失した。
血圧,尿所見,血液所見,血清肝機能検査について投薬前後の値を比較検討したが,著変はみられなかった。
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