資料
WHO第8回修正国際疾病分類について
加藤 正明
1
1国立精神衛生研究所
pp.809-827
発行日 1969年10月15日
Published Date 1969/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201527
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まえがき
WHOによる国際疾病分類International Classification of Disease(I. C. D.)は,戦後厚生省でも早くから死因統計に採用してきたが,どこの国でも評判がわるく一般に使用されていなかつた。今回の第8回修正I. C. D. は,作製まえから各国の意見を積極的にとり入れ,わが国にも再三コメントを要求してきた。精神疾患分類については,日本精神神経学会の用語統一委員会がこれに参与し,厚生統計協議会の専門委員として意見を述べてきた。
第8回I. C. D. は1965年に採択され,次の1975年の修正までこれを積極的に検討することになつたが,アメリカ精神医学会は,そのDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの第2版(1968)で,ごく一部を除いてI. C. D. の精神疾患に関する部分を承認した。またイギリスでも統計庁長官の医学用語および統計に関する審議会の精神疾患分類部会でほぼ承認され,A Glossary of Mental Disorders(1968)として出版された。その詳細についてはのちに各項目で述べるが,アングロサクソン系の概念がつよく反映しており,フランスはやつと1968年の暮にできるだけI. C. D.に近づけた仮案を国立衛生研究所が中心になつてまとめたが,その他の各国ではおのおの独自の分類を用いており,国際的水準ではもちろん,国内的水準でも統一されていない国が多い。
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