特集 医学教育と精神療法
第5回日本精神病理・精神療法学会大会シンボジウム「医学教育と精神療法」より
まえがき
金子 仁郎
1
1大阪大学精神科
pp.164
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201445
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まえがき
今回のシンポジウムのテーマは「医学教育と精神療法であり,これは従来のシンポジウムのものとは,かなりちがつた方向のものである。このようなテーマは本学会の運営委員会の主要メンバーの1人である土居健郎博士の発案によるものであり,運営委員会全員の賛同によつて決定された。
精神療法というと,精神科の医師が行なうものであり,それ以外の各科の医師が行なわないもの,あるいは行ないえないものという考えが,かなり広く信じられている。これは現実には保険診療では,精神科の治療として,精神療法が治療点数にあがつているが,これを請求しているのが,ほとんどが精神科の医師であり,それ以外の各科で精神療法を行ない,保険点数を請求し,それが支払基金で認められているのは,きわめて例外である。私が知つているのは,九大の心療内科と,小樽の内科の伊藤博士などで,それ以外にもあるかもしれないが,きわめてまれなものであると推定される。
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