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Dr. Stanley Cobbの訃報
三浦 岱栄
1
1慶大
pp.795
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201392
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故植松教授のふるい友人のひとりであり,わが国でも北大の諏訪教授を初め,師事した人が少なくないボストンのStanley Cobb博士は,本年2月26日ボストンに隣接するケンブリッジ市で逝去された由で,ここに謹んで哀悼の意を表したい。亨年80歳。ハーバード大学の名誉教授であり,またマサチューセッツ総合病院の名誉医長(精神科)であつた。
私が同博士を知つたのは比較的最近で,それも東京においてであつた。コッブ先生ご夫妻はたしか香港の総領事をしているご子息さんに会いにおもむかれる途中,東京に立ち寄り私たちと歓談したいというお手紙をいただいたからである。先生はAPA(アメリカ精神医学会)の終身会員でもあつたので,たぶんDr. Daniel Blainあたりが"私"を思いついたのかもしれない。Stanley Cobb博士は"精神身体医学"についても一家言を有し,著述も多いので,そんな関係ではないかとも思つたが,ともかく山之内製薬KKにスポンサーになつてもらつて盤若苑で先生ご夫妻をご招待申しあげ,たいそう喜んでいただいた。先生は相当高度の関節リウマチスを患つておられるとみえて,立居振舞はかなり不自由であり,松葉杖なしには歩行も困難のようにお見受けしたが,精神的にはご高齢にもかかわらず"かくしやく"たるものがあることがうかがえた。
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