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資料
綜合病院精神科における児童臨床の現況と問題点—大阪赤十字病院精神科における最近6年間の経験
The Current Trends of Child Psychiatric Services in General Hospital
川端 利彦
1
Toshihiko Kawabata
1
1大阪赤十字病院精神神経科
1Dept. of Neuro-psychiat., Osaka Red-Cross General Hospital
pp.505-513
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201350
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I.はじめに
児童期は人間の生活のなかで大きな比重を占めるたいせつな時期である。児童期を単に成人への準備の時期としてではなく,それ自体のなかに意義をみいだそうとするこころみから,児童期の精神衛生,さらには児童期の精神障害に対する早期発見,早期治療の問題がクローズ・アップされてきた。
しかし,わが国において,少なくとも系統的にこの問題が論じられはじめたのは戦後であり,児童に対する精神医学的配慮の歴史はごく浅いといわねばならない。しかも,その実践の大部分が,児童相談所を中心とした福祉的配慮への参加というかたちで始められており,現在でもなおその形態が主流を占めている。これに対して,大学病院を初めその他の公的医療機関において,児童精神医学のための独立した臨床の場はほとんど与えられていないのが現状である。
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