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資料
沖縄における精神科診療の体験
Psychiatric Experiences in Ryukyu Island
吉村 正
1
Tadashi Yoshimura
1
1国立肥前療養所
1Hizen National Mental Sanatorium
pp.515-519
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201351
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Ⅰ.まえがき
著者は昭和42年(1967)1月27日から同年4月末まで,総理府派遣医師として政府立琉球精神病院において精神科診療業務の援助をした。この病院には6病棟(男4女2)があつて,その一部である第3病棟の担当医として勤務した体験である。
世界の先進国である欧米諸国に比べると,日本本土もまだ後進国といわれる。そしてこんにちなお祖国復帰の遅れている沖縄が日本本土よりあらゆる文化・経済・産業・教育・民生などの部門で立ち遅れているのは当然である。これを精神医学の立場から見るとき,本土の精神障害者に比べ,年齢的格差のあること,家族に戦死者の多いこと,全体的に家庭が貧困であること,その精神症状は多動・俳徊・暴力的などaggressivenessの傾向が強いこと,入院まで自宅檻置されたことなどの特徴が認められた。
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