Japanese
English
特集 内因性精神病の疾病論
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
精神分裂病の異種性(heterogeneity)と境界症例について—ふたごの観察から
On the Heterogeneity and Borderline Cases of Schizophrenia, Observation of Twins
井上 英二
1
Eiji Inouye
1
1東京大学医学部脳研究所
1Division of Human Genetics and Criminology, Institute of Brain Research, University of Tokyo School of Medicine
pp.13-19
発行日 1967年1月15日
Published Date 1967/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201132
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.内因性精神病の疾病論
疾病論(nosology)は,いうまでもなく,疾患単位に関する体系,あるいはこれについての学説であつて,その基礎となるものは病因論(etiology)と症候論(symptomatology)である。
現在精神分裂病とよばれている一群の病気では,疾病論の一方の基礎である病因論が確立されていないから,これについてのいろいろの疾病論は,Kraepelin以来主として症候論にもとづいて組み立てられている。しかし,精神分裂病の病因について,もし多少とも客観的の事実が知られているならば,その事実にもとづいた疾病論を組み立てることができるはずである。このような疾病論の体系は,現在の混乱した精神分裂病の疾病論を多少とも整理することができるかもしれない。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.