第3回精神医学懇話会 森田療法
一般討論
森田療法における転機
pp.725-738
発行日 1966年9月15日
Published Date 1966/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201062
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井村 お話のなかで重要な点の一つだと思いますが,森田の場合の精神療法の転換と精神分析の場合を対比させておられましたけれども,たいへん興味をもつてそれを拝聴し,私もそのとおりだと思います。森田療法における転換は状況設定が最初にあるということに異論はないのですけれど,その変換そのものの心理的な機制といいますか,あるいは体験の論理といいますか,東洋特有のものがあるのではないかと思います。たとえば「煩悶即解脱」の“即”という機制について,もう少しご説明いただきたいと思います。ここに「自己受容から逆に統合された自我が出現する」というふうに書いてありますが,問題はその転換の過程ですね。
司会 論旨の質問と思つたのですけれども,内容に入らざるをえないようですね。そうなると,一つのテーマとしてどうしても,いまの転換が問題になると思つていたわけです。それを2番目に取り上げようと思つたのですが,それに入つていつてもいいですね。
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