特集 薬物と精神療法
第2回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
はじめに
懸田 克躬
1
1順天堂大学教授
pp.442
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201009
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精神療法と薬物療法とは今日の精神医学において,もつとも基本的な療法というべきであろう。精神療法の要素を含むことのない薬物療法,いな,一般に医療がありえないことは多くの人々によつてすでに指摘されていることであり,いまさらとくに多くの言葉を費やす必要はないことであると思う。
一方に精神療法に薬物を用いることについては,精神療法の本質論や,たとえ,これを用いるとしても,いかなるときに,いかなる方法で行なうかというような意味あいでさまざまの問題が提起されている。しかし,薬物療法が精神療法について与えた課題は単にそのような点に尽きるものではないと思う。
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