Japanese
English
研究と報告
頭部外傷後にみられた詐病の1例
A case of simulation after head injury.
田原 幸男
1
,
中野 啓次郎
1
,
神沢 幸吉
2
,
安藤 春彦
3
S. Tahara
1
,
K. Nakano
1
,
Y. Kamlsawa
2
,
H. Ando
3
1中部労災病院神経科
2中部労災病院眼科
3名古屋大学医学部精神医学教室
1Clinic of Neuropsychiatry, Chubu Workers' Accident Hospital
2Clinic of Ophthalmology, Chubu Workers' Accident Hospital
3Department of Neuropsychiatry, Nagoya University, School of Medicine
pp.457-461
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200572
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I.まえがき
就業中に発生した災害によつて罹災従業員が神経症性反応をおこす例は臨床上しばしば経験するところであるが,頭部外傷患者の場合,災害補償にからんでの意識的な詐病は実際にはきわめてまれなものである。
われわれは,中部労災病院神経科の開設以来,現在までの6年間において,頭部外傷補償認定の患者を約1,000例扱つたが,そのうち詐病と判定した症例はわずかに本例の1例のみであつた。
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