Japanese
English
研究と報告
精神病棟における治療的雰囲気の形成について—主治医制男女混合病棟のこころみ
On the formation of therapeutic atmosphere in the mental hospital
若生 年久
1
T. WAKOH
1
1三重県立高茶屋病院
1Mie Prefectural Hospital Takachaya
pp.561-567
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200348
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近時,多くの精神病院に立派な病棟,美しい庭,作業場などができ設備の面でも著しい改善がなされつつあるが,それでも医師,看護者の数が少く,十分な治療を行い難い状況の病院が多くあると考えられる。それゆえできるだけ医師と受持ちの全患者が接触するに便利な病棟管理形態を作り,同時に病棟に勤務するすべての人と患者との間に,あるいは患者と患者との間に,治療的に好ましい人間関係を形成しうるような,すなわち,治療的雰囲気のあふれた病棟をつくることがきわめて大切である。このとは単に人手不足や経済的理由,看護の能率化などからのみ要請されるのではなく,グループダイナミックスをうまく利用し,本質的に治療を促進せんとする医学的意味からもぜひ必要なことである。ここでは私どもが昭和34年9月1日より6カ月間実験的に行つた主治医制男女混合病棟という形式の病棟管理の経験を報告し,この問題に対する一つの資料を提供したいと考える。
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