Japanese
English
研究と報告
両側側頭葉の軟化をともない大脳半球の著明な萎縮を呈した1例
A Case of Diffuse Hemisphere Atrophy with Lokalized Softenings in Both Temporal Lobes
野上 芳美
1
,
林 英三郎
1
,
矢吹 天司
1
,
赤井 契一郎
2
,
竹石 芳光
2
,
北 周二
2
,
轟 章
2
,
島田 清
2
,
豊田 正穂
2
,
今村 正夫
2
Y. NOGAMI
1
,
E. HAYASHI
1
,
T. YABUKI
1
,
K. AKAI
2
,
Y. TAKEISHI
2
,
S. KITA
2
,
A. TODOROKI
2
,
K. SHIMADA
2
,
M. TOYODA
2
,
M. IMAMURA
2
1日大神経科
2日大第2病理
1Dept. of Neuropsychiatr., Nihon Univ. School of Med.
2Dept. of Pathol., Nihon Univ. School of Med.
pp.341-350
発行日 1960年6月15日
Published Date 1960/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200223
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われわれは最近周期的な意識障害発作,精神的幼児様化その他の多彩かつ特異な症状を呈した症例を観察した。剖検のうえ病理学的な検索を行なつたが,その結果もまた特異で,本例の疾病学的位置づけは現在なお問題を残している。すなわち考按の部で後述するごとく,本例を肝脳変性症の一異型とみなすことは不可能でないが,それに対し若干の疑点もあるし,ほかのいかなる疾患ないし疾患群に本例を属せしめることも困難と思われる。したがつてここに臨床的ならびに病理学的所見を記述し,今後の類似症例の報告をまちつつ,諸賢の批判をあおぎたいと思う。
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