Japanese
English
研究と報告
Antabusによる精神障害の5例
Über 5 Fällen von Antabuspsychosen
石井 厚
1
,
今井 篤
1
,
木村 靖
1
A. ISHII
1
,
A. IMAI
1
,
Y. KIMURA
1
1東北大学医学部精神医学教室
1Aus der Psychiatrisch-Neurologischen Universitätsklinik Tohoku
pp.207-211
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200203
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Antabusの単独投与によつて嗜眠,疲労感,頭痛,記憶減退,食欲不振,悪心,腹痛,下痢,皮膚発疹,インポテンツなどの副作用が起こることはよく知られている1)。この副作用は通常Antabus1日量1.0g以上の連用にさいして起こるといわれるが,その程度はかるく,投薬の中止によつて容易に回復する。これに対してAntabusが激しい精神症状をきたすことがあるということをWolff(1950)21)Bennet(1950)2)らが報告した。
その後,Antabusによる精神障害例が多数報告されており,本邦でも坂部・山村ら17),竹中19),関18,上村ら10)の報告があるが,われわれは5例のAntabus(邦製ノックビン)による精神障害例を経験したのでこれを報告し,主としてその病因について考察を加えたい。
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