Japanese
English
研究と報告
筋肉弛緩剤Succinylcholine Dichlorideを用いた電撃療法の経験
SUCCINYLCHOLINE DICHLORIDE IN ELECTROSHOCK THERAPY
阪本 健二
1
,
阪本 正男
1
K. SAKAMOTO
1
,
M. SAKAMOTO
1
1阪本病院
1Sakamoto Hospital
pp.807-809
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200158
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近年欧米においては骨折を防止するため筋肉弛緩剤を用いた電撃療法が発達し広く行なわれているが,この種の事故の少いわが国ではいままでほとんどかえりみられることがなかつた。しかし筋肉弛緩剤を用いるといままで禁忌とせられていた高令,結核,骨折などの患者にも電撃療法を加えうるので,ここに先進者達の方法を紹介するとともにわれわれの経験につき記述する。
1940年米国に電撃療法が紹介されてから国民の体位が向上するにつれ電撃による骨折は年々増加し,近年には全患者の20%に脊椎圧座(Noyes)1%にその他の骨折をみるようになつた。ために種種の筋肉弛緩電撃法の研究が進められたが,初期にはクラレを用いたので,長時間にわたる呼吸停止,心臓障害のため危険で事故も多かつた。Impastatoは米国における電撃事故死の多くはクラレの使用によるものであるとのべている。それはクラレの主成分であるツボクラリンイオダイドが骨格筋よりも呼吸筋に強く作用し,呼吸停止時間が約40分にわたるためである。
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