書評
てんかんハンドブック(第2版)
小島 卓也
1
1日本大学医学部精神神経科学教室
pp.106
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102484
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本書はThomas R BrowneとGregory L Holmesの『てんかんハンドブック』の改訂版である。まず読んでみて,コンパクトな割には内容がきわめて充実して最新の情報を得られること,しかも必要なことが過不足なく系統的に示され,特に治療についての記載が充実して,臨床実践に役立つようになっていることが印象的である。筆者の豊富な臨床経験と研究者としてのてんかんについての豊富な知識が融合し,使用する立場を十分考慮したすばらしい本になっている。
てんかん症候分類が2001年の国際分類を用いている点も特徴である。この分類は膨大で複雑であり,まだ公的に承認されていないが,これまでの分類に取り入れられていないいくつかの新しい症候群が記載されているので,取り上げたという。そしててんかんを発症年齢で分ける方法を採用している。特定の患者の鑑別診断を容易にし,特定の年齢層に想定される症候群を全体的に把握するのに役立っており,使用してみて便利であり,新鮮に感じられる。
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