Japanese
English
研究と報告
てんかん患者のスタンバーグ課題遂行成績に対するTJ-960の効果
Effects of TJ-960 on Sternberg's Paradigm Results in Epileptic Patients
永久保 昇治
1
,
山内 俊雄
2
,
相川 博
2
,
小島 卓也
3
,
松浦 雅人
3
,
大久保 善朗
3
,
大高 忠
4
,
丹羽 真一
5
,
熊谷 直樹
5
,
福田 正人
5
,
安西 信雄
5
Shoji NAGAKUBO
1
,
Toshio YAMAUCHI
2
,
Hiroshi AIKAWA
2
,
Takuya KOJIMA
3
,
Masato MATSUURA
3
,
Yoshiro OOKUBO
3
,
Tadashi OOTAKA
4
,
Shin-Ichi NIWA
5
,
Naoki KUMAGAI
5
,
Masato FUKUDA
5
,
Nobuo ANZAI
5
1葛飾橋病院
2埼玉医科大学精神医学教室
3東京医科歯科大学神経精神医学教室
4独協医科大学精神神経医学教室
5東京大学医学部精神医学教室
1Katsushikabashi Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Saitama Medical School
3Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
4Department of Psychiatry, Dokkyo University School of Medicine
5Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
TJ-960
,
Kampo medicines (Japanese harbal)
,
Epilepsy
,
Sternberg's paradigm
,
Cognition
Keyword:
TJ-960
,
Kampo medicines (Japanese harbal)
,
Epilepsy
,
Sternberg's paradigm
,
Cognition
pp.281-288
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903414
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【抄録】 本研究ではてんかん患者におけるTJ-960の認知機能に及ぼす効果を検討するためにスタンバーグ課題を用い,発作に対する効果とともにTJ-960投与前後での認知機能ことに短期記憶機能の変化を検討した。対象:埼玉医大病院・東京医科歯科大病院・東大病院の精神神経科に通院中のてんかん患者26名(男14名,女12名;平均年齢35±11歳)を対象とし,同じ施設に通院中の別のてんかん患者17名(男12名,女5名:平均年齢40±12歳)を対照とした。方法:1日量7.5gのTJ-960を8週間投与し,投与開始直前と8週投与直後にスタンバーグ課題を2回検査した。対照群の場合も同様に8週間の間隔をおいて2回検査した。結果:投与群で8週後に発作回数が25%以上減少した改善例は8例,不変17例,悪化1例であった。スタンバーグ課題の正反応時間は投与群では1回目955±310ミリ秒,2回目881±277ミリ秒であったのに対し,対照群では1回目845±288ミリ秒,2回目829±269ミリ秒であり,TJ-960投与群で2回目に反応時間が有意に短縮していた。単純反応時間は両群とも1・2回目の間で変化はなかった。以上,TJ-960はてんかん患者の認知機能に改善効果を示すと考えられた。
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