雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Seishin Igaku Volume 55, Issue 6 （June 2013）

精神医学 55巻6号（2013年6月発行）

Japanese English

短報

短期間に再発した抗NMDA受容体脳炎の男性例 An Early Recurrent Anti-NMDAR Encephalitis in a Male Patient 松岡究 ¹ , 芳野浩樹 ¹ , 江浦信之 ² , 盛本翼 ¹ , 太田豊作 ¹ , 橋本和典 ¹ , 上野聡 ² , 岸本年史 ¹ Kiwamu MATSUOKA ¹ , Hiroki YOSHINO ¹ , Nobuyuki EURA ² , Tsubasa MORIMOTO ¹ , Toyosaku OTA ¹ , Kazumichi HASHIMOTO ¹ , Satoshi UENO ² , Toshifumi KISHIMOTO ¹ ¹奈良県立医科大学精神医学講座 ²奈良県立医科大学神経内科学 ¹Department of Psychiatry, Nara Medical University, Kashihara, Japan ²Department of Neurology, Nara Medical University キーワード： Anti-NMDA encephalitis , Male case , Relapse Keyword: Anti-NMDA encephalitis , Male case , Relapse pp.561-564

発行日 2013年6月15日 Published Date 2013/6/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102471

PDF(360KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

抄録

　短期間に再発した抗N-methyl D-aspartate受容体抗体に関連した脳炎(以下，抗NMDA受容体脳炎)の男性例を経験した。感冒症状の後に統合失調症様症状，意識障害，強直間代発作が認められ，免疫療法や向精神薬の投与により症状は改善し，3か月後に退院となった。しかし，退院2か月後に感冒症状，抑うつ症状，統合失調症様症状，意識障害を呈し再発した。本疾患の男性例は少なく，本邦での男性例は数例しか報告されていない。また，女性例では卵巣奇形腫の合併が多いことが知られているが，男性例は女性例と比較して腫瘍の合併は少なく，非腫瘍合併例では腫瘍合併例よりも再発が多いと報告されている。本症例の臨床経過を示し，文献的考察を加えて報告する。