Japanese
English
紹介
メタ認知トレーニング(Metacognitve Training;MCT)日本語版の開発
Developing the Japanese Version of Metacognitive Training
石垣 琢麿
1
Takuma ISHIGAKI
1
1東京大学大学院総合文化研究科
1Graduate School of Arts and Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
Metacognition
,
Schizophrenia
,
Delusion
,
Cognitive biases
,
Cognitive behavior therapy
Keyword:
Metacognition
,
Schizophrenia
,
Delusion
,
Cognitive biases
,
Cognitive behavior therapy
pp.939-947
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102271
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はじめに
認知行動的アプローチの発展により,特に英国において1980年代以降,統合失調症の症状に関する認知心理学的メカニズムの実証的解明と介入・援助法の開発が盛んになった1)。たとえば,妄想を抱きやすい患者に特有の認知バイアスは,自己奉仕バイアス(原因帰属のありかた),「結論への飛躍」バイアス,「心の理論」の欠如,否定的な自己イメージ,などだと考えられている2)。
ハンブルク大学のMoritz教授らは,こうした現状をふまえて,妄想の認知バイアスに対する新たな心理教育・介入法を開発し,メタ認知トレーニング(Metacognitive Training:MCT)と名付けた2)。筆者は原著者の許可を得てMCT日本語版を作成した(http://www.uke.de/mktから無料ダウンロード可能だが,最新の日本語版と日本語版マニュアルについては筆者までご連絡いただきたい)。本稿ではマニュアルに沿ってMCTを紹介する。
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