Japanese
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研究と報告
大麻精神病と大麻乱用後に発症した統合失調症の違い
Difference between Cannabis Psychosis and Schizophrenia after Cannabis Abuse
新川 祐利
1
,
梅津 寛
1
,
大島 健一
1
,
岡崎 祐士
1
Hirotoshi NIIKAWA
1
,
Hiroshi UMEZU
1
,
Kenichi OSHIMA
1
,
Yuji OKAZAKI
1
1東京都立松沢病院精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Cannabis psychosis
,
Schizophrenia
,
Amotivational syndrome
Keyword:
Cannabis psychosis
,
Schizophrenia
,
Amotivational syndrome
pp.881-888
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102263
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抄録
大麻乱用後に幻覚妄想状態を呈した2症例を報告した。症例1は大麻精神病,症例2は大麻乱用の経験がある統合失調症と診断し,両者の違いを考察した。急性期症状は類似点が多いが,本症例の大麻精神病は幻覚妄想に対し恐怖や緊張を伴わず,妄想内容が了解可能であることが統合失調症と異なっていた。大麻精神病の経過では,大麻による無動機症候群を認め,意欲減退などが原因で社会機能が低下し,統合失調症の陰性症状と類似した。しかし,対人関係の障害や認知機能障害は認めず,治療により社会機能が病前の状態まで回復したことが異なっていた。大麻乱用が統合失調症を惹起する可能性が推察された。
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