Japanese
English
短報
妊娠妄想を呈した統合失調症の1男性例
A Case Report of a Male Schizophrenic Patient with Delusions of Pregnancy
新川 祐利
1
,
大島 健一
1
,
大澤 達哉
1
,
岡崎 祐士
1
Hirotoshi NIIKAWA
1
,
Kenichi OSHIMA
1
,
Tatsuya OSAWA
1
,
Yuji OKAZAKI
1
1東京都立松沢病院精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Delusion of pregnancy
,
Schizophrenia
,
Male
Keyword:
Delusion of pregnancy
,
Schizophrenia
,
Male
pp.407-410
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102155
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はじめに
妄想とは,訂正が不可能な病的な誤った確信で,その内容に基づいて命名される。妊娠妄想は,診察や検査で妊娠が否定されても,妊娠していると確信し,訂正不可能な状態のことである。高橋の定義では,「性行為を実際にも,妄想上も経由せず,自分の身体に新たなる生が芽生えていると着想すること」としている6)。空想的・誇大的色彩を帯びることがあり,妊娠が現実的に不可能な男性患者でもまれながら認めることがある。
今回,我々は入院治療中に妊娠妄想が出現し,薬物治療と修正型電気けいれん療法にて消失したという統合失調症患者の症例を経験した。妊娠妄想の発生機序や治療について若干の考察を加え,ここに報告する。
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