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資料
精神保健福祉センターを受診した高校生の不登校
High School Students with School Refusal, Visiting a Mental-Health and Welfare Center
土岐 茂
1
,
谷山 純子
2
,
衣笠 隆幸
2
Shigeru TOKI
1
,
Junko TANIYAMA
2
,
Takayuki KINUGASA
2
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学
2広島市精神保健福祉センター
1Department of Psychiatry and Neurosciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
2Hiroshima City Mental-Health and Welfare Center
キーワード:
School refusal
,
Course
,
Family
,
Senior high school students
Keyword:
School refusal
,
Course
,
Family
,
Senior high school students
pp.611-616
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102201
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抄録
本邦では小中学生の不登校について,多くの報告がなされ,支援体制が整えられてきた。一方,高校生の不登校の相談も相当数が存在し,実態把握と相談介入の方法論が求められている。我々は,X年4月1日からX+5年3月31日までの5年間に,広島市精神保健福祉センターを受診した高校生の不登校例37名(男19名)について,診療録を基に回顧的検討を行った。総体的に,来所者は神経症圏で,ひきこもり段階にあり,友人関係の躓きを契機とするものが多かった。不登校の様態と来所状況に性差がみられ,心理的発達の性差によるものと思われた。本人/家族個別面接と精神療法,薬物療法を組み合わせ,約4分の1の症例で,再登校と卒業を認めた。不登校という事象は教育と医療の境界に位置するため,治療者には長期的観点からの柔軟な理解が必要とされる。また,社会支援の側面からは患者,家族の選択肢を増やすという意味で,通信制高校の整備などの支援が引き続き必要であると思われた。
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