Japanese
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特集 統合失調症の予後改善に向けての新たな戦略
統合失調症治療におけるアウトカム指標
Outcome Measures in the Treatment of Schizophrenia
友竹 正人
1
,
大森 哲郎
2
Masahito TOMOTAKE
1
,
Tetsuro OHMORI
2
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部メンタルヘルス支援学分野
2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
1Department of Mental Health, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
2Department of Psychiatry, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School
キーワード:
Schizophrenia
,
Outcome measure
,
Quality of life
,
Life skill
,
Cognitive function
Keyword:
Schizophrenia
,
Outcome measure
,
Quality of life
,
Life skill
,
Cognitive function
pp.177-183
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101793
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はじめに
統合失調症治療のアウトカム指標として,疾病を持ちながらも心理的・社会的により健康的な生活が送れるようにという観点からquality of life(QOL)が重要視されるようになっている21,22)。急性期治療においてある程度の精神症状の改善が得られ,薬物維持療法とリハビリテーションに移行する段階では,患者のQOLをできるだけよくするにはどうすればよいかという視点に立ち,治療を行うことが重要である。長期的な見通しを持った治療戦略を立てたり,その効果を評価するためには,QOLをはじめとして,生活技能や社会機能を適切に評価することが必要になる。
また,近年,就労などの社会的予後やQOLとも関連した重要な要因として認知機能障害が注目されるようになっている13,30)。認知機能障害の存在は,社会復帰を目指した心理社会的治療がうまくいかない原因ともなるため,認知機能を適切に評価しておくことが,リハビリテーションの戦略を考えるうえでも重要になってきている。
本稿では,統合失調症治療におけるアウトカム指標として,QOL,生活技能・社会機能,認知機能について解説することとする。
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