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私のカルテから
BPSDに対して塩酸ドネペジルが有効であった前頭側頭型認知症の1例
A Case of Frontotemporal Dementia Effectively Treated with Donepezil for Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia
田口 芳治
1,2
,
松村 内久
2
,
久保 道也
2
,
堀江 幸男
2
,
高嶋 修太郎
1
,
田中 耕太郎
1
Yoshiharu TAGUCHI
1,2
,
Nobuhisa MATSUMURA
2
,
Michiya KUBO
2
,
Yukio HORIE
2
,
Shutaro TAKASHIMA
1
,
Kortaro TANAKA
1
1富山大学附属病院神経内科
2富山県済生会富山病院脳神経外科
1Department of Neurology, Toyama University Hospital Toyama, Japan
2Department of Neurosurgery, Saiseikai Toyama Hospital
pp.595-597
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101648
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はじめに
前頭側頭型認知症(FTD)は,前頭葉と側頭葉の前方部優位に原発性の萎縮を呈する変性性認知症で,病識の欠如,自発性低下,無関心,感情鈍麻,常同行動などの性格変化と社会的行動の障害が特徴である8)。そのため,脱抑制などの行動・心理症状(BPSD)が問題となり,介護が困難になる。対症的にBPSDに対して選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やrisperidoneなどの非定型抗精神病薬が使用されるが1),FTDに対するdonepezilの有効性は明らかでない。我々はBPSDに対してdonepezilが有効であったFTDを経験したので報告する。
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