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私のカルテから
認知症を伴わない睡眠行動障害に抑肝散が著効した後期高齢者の1例
An Old-old Aged Patient Showing Successful Treatment with Yokukansan for Sleep Behavior Disorder without Dementia
田島 孝俊
1
,
原田 貴史
1
Takatoshi TASHIMA
1
,
Takashi HARADA
1
1雁の巣病院
1Department of Psychiatry, Gannosu Hospital, Fukuoka, Japan
pp.591-593
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101647
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症例
〈症例〉 75歳,男性。
主訴 大声の寝言など異常な行動がある。
生活歴 同胞5人第2子。名門大学卒業後,建築関連会社に就職。28歳で結婚して2子あり。
現病歴 X-25年(50歳)頃よりうたた寝をして起き出し,数分ほどぽーっとして奇異な言動をし,声かけに目覚めることが何度かあり,妻は「仕事のストレスのせい」と考えていた。50歳代,栄転した頃,夜間睡眠中に起き上がり目が覚め,夢の中でドアを開けようとしたなどの睡眠行動障害が年に2~3回あった。X-16年(59歳)頃より,大声の寝言があり,いびきや睡眠時無呼吸もあり,睡眠中の体動が激しく,同室では安心して眠れないため,妻は安全のため別室で眠るようになった。定年後,会社に依頼され役員となった。一方で,生来健康で,趣味の社交ダンスや山登りを積極的に続けていた。X-2年(73歳),腰椎圧迫骨折のためA病院で骨セメント療法を受けた後,社交ダンスや山登りはできなくなった。同年,睡眠中に部屋を散らかしたり,寝言で大声を出したりし,睡眠行動障害が週に1~2回に増えた。寝酒をした日に頻度が高い傾向を認めた。
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