Japanese
English
短報
Blonanserinへの切り替えにより心不全徴候を伴う頻脈が改善した統合失調症の1例
A Case of Schizophrenia with Cardiac Failure Improved by a Switch to Blonanserin
河邉 憲太郎
1
,
松岡 崇人
1
,
細田 能希
1
,
上野 修一
2
Kentaro KAWABE
1
,
Takahito MATSUOKA
1
,
Yoshiki HOSODA
1
,
Syuichi UENO
2
1医療法人佑心会堀江病院
2愛媛大学大学院医学系研究科 脳・神経病態制御医学講座 脳とこころの医学
1Horie Hospital, Matsuyama, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Neuroscience, Ehime University Graduate School of Medicine
キーワード:
Blonanserin
,
Cardiac failure
,
Schizophrenia
,
Haloperidol
,
Antipsychotic drugs
Keyword:
Blonanserin
,
Cardiac failure
,
Schizophrenia
,
Haloperidol
,
Antipsychotic drugs
pp.285-288
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101591
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はじめに
本邦では1955年に統合失調症に対する治療薬として抗精神病薬chlorpromazineが発売されて以後,さまざまな抗精神病薬が発売され,統合失調症の薬物治療は多彩となった。2009年現在,本邦では非定型抗精神病薬として用いることができる薬物が6種類発売されており,その単剤治療の有用性が次々と報告されている。その理由として,非定型抗精神病薬は,定型抗精神病薬と比べ,錐体外路症状などをはじめさまざまな副作用の出現頻度が低いため抗パーキンソン病薬の併用が不要になる,従来の定型抗精神病薬に比較して陰性症状や感情障害,認知障害に対しての効果が期待できる,などの利点があるからである。今回,haloperidolが原因と考えられる心不全徴候を伴う頻脈が,主剤をblonanserinに切り替えることにより改善した統合失調症の1例を経験した。若干の考察を加え報告する。
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