「精神医学」への手紙
「1級症状とDSM―「展望」Schneiderの1級症状の診断的意義(本誌 50:838-855,2008)を読んで」に対する回答
針間 博彦
1
1東京都立松沢病院精神科
pp.810-812
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101476
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この度先達である柏瀬先生から拙文「Schneiderの1級症状の診断的意義」に対する貴重なご意見をいただきましたこと,心より感謝いたします。もとより私が「シュナイダー 新版 臨床精神病理学」9)の翻訳を行ったのも,先生6)がその原書を解説された中で,新訳の必要性を説かれていたことに鼓舞されてのことでした。拙文に対し先生から速やかにご意見をいただきましたのに,私の力不足のために回答が大幅に遅れましたことをお詫び申し上げます。
先生方が25年前に行った活発な議論に遠く及ばない拙論に対し,さぞかし歯痒い思いをされたものと存じます。先生にとって拙論の多くはすでに議論し尽くされたことの繰り返しに過ぎなかったのかもしれません。拙文で1級症状を取り上げその解説を試みましたのは,近年DSMやICDが教科書のごとく読まれているのではないかという懸念から,その背景に多少とも触れたいという思いからでした。
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