Japanese
English
短報
視覚変容は,抗精神病薬の副作用でも生じ得る
Antipsychotics-induced Visual Cognitive Disturbance
森山 泰
1
,
村松 太郎
2
,
加藤 元一郎
2
,
三村 將
3
,
鹿島 晴雄
2
Yasushi MORIYAMA
1
,
Taro MURAMATSU
2
,
Motoichiro KATO
2
,
Masaru MIMURA
3
,
Haruo KASHIMA
2
1陽和病院精神科
2慶應義塾大学医学部精神神経科
3昭和大学医学部精神神経科
1Yowa Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
3Department of Neuropsychiatry, Showa University School of Medicine
キーワード:
Antipsychotics
,
Visual cognitive disturbance
,
Bipolar disorder
Keyword:
Antipsychotics
,
Visual cognitive disturbance
,
Bipolar disorder
pp.785-788
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101471
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
近年双極性障害における抗うつ薬の使用に関して,薬物による躁転のリスク以外に,双極性うつ病に対する気分安定薬服用中の抗うつ薬の有効性はプラセボと同程度である6)といった報告がある。そうした中,双極性障害に対する非定型精神病薬の躁病相,うつ病相,維持療法における有効性が報告8)されており,近年双極性障害に対する同薬の選択機会が増加している。一方で,気分障害では抗精神病薬による錐体外路症状が統合失調症より出現しやすいとされ3),副作用には注意する必要がある。
ところで,これまで,抗精神病薬による運動系の副作用に比べて,知覚系の副作用はあまり報告されてこなかった。今回我々は双極性Ⅱ型に同薬の知覚系の副作用である視覚変容を伴い,同薬を中止することで改善した1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.