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シンポジウム うつ病と自殺に医師はどう対応するのか―医師臨床研修並びに生涯研修における精神科の役割
内科指導医として卒後研修における精神科の役割を考える―特に心疾患の心理・行動的側面について
Concerning of Psychosomatic Aspects of Cardiovascular Diseases:How should physician-teachers act on their intern-residents
大和 眞史
1
Mafumi OWA
1
1諏訪赤十字病院循環器科
1Suwa Red Cross Hospital, Cardiology, Suwa, Japan
キーワード:
Depression
,
Myocardial infarction
,
Event recorder
,
Mental care
Keyword:
Depression
,
Myocardial infarction
,
Event recorder
,
Mental care
pp.355-362
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101401
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はじめに
新医師臨床研修制度の基本理念は「臨床研修は,医師が,医師としての人格をかん養し,将来専門とする分野にかかわらず,医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ,一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう,基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない」というもので(医師法第16条の2第1項に規定する医師臨床研修に関する省令),これに先立つ2000年11月の第150回国会参議院国民福祉委員会附帯決議では「医師及び歯科医師の臨床研修については,インフォームドコンセントなどの取組みや人権教育を通じて医療倫理の確立を図るとともに,精神障害や感染症への理解を進め,更にプライマリーケアやへき地医療への理解を深めることなど全人的,総合的な制度へと充実すること。その際,臨床研修を効果的に進めるために指導体制の充実,研修医の身分の安定及び労働条件の向上に努めること」として,さらに具体的な項目を挙げて研修すべき領域を規定している。したがって,初期研修で精神科が果たすべき役割は,将来の専門領域にかかわらずcommon diseaseである精神疾患の初期診療能力を習得させるとともに,全人的医療の担い手として患者と医療者自らの「こころ」のケアにも進んでかかわれるように学習させることである。
本稿では内科指導医が配慮すべき精神科領域について,特に循環器診療における心身相関を話題に,内科医がいかに心のケアにかかわっていくべきか概説した。また,最近大きく問題になってきている医療従事者の職業的ストレスとうつ病について,研修医の場合にどのように問題が生じるか論じた(表1)。
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