Japanese
English
研究と報告
当院にて経験した多剤大量療法からの薬剤整理に成功した統合失調症3症例
Three Cases with Chronic Schizophrenia Succeeded in Reduction from Multiple Neuroleptics Therapy
本山 真
1,2
Makoto MOTOYAMA
1,2
1医療法人藍生会不動ヶ丘病院
2宮原メンタルクリニック
1Fudougaoka Hospital, Kazo, Japan
2Miyahara Mental Clinic
キーワード:
Olanzapine
,
Schizophrenia
,
BPRS
,
QTc
,
Switching
Keyword:
Olanzapine
,
Schizophrenia
,
BPRS
,
QTc
,
Switching
pp.1087-1092
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101316
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抄録
定型抗精神病薬を多剤併用し長期間の入院をしていた症例において,副作用の軽減もしくはQOLの向上を目的として,抗精神病薬を減量整理できた経験をした。減量の前後で簡易精神症状評価尺度(BPRS)による精神症状の評価および錐体外路症状評価(ESES),血液検査,心電図による安全性の評価を行い,BPRSは薬剤入れ替え後平均約10%改善し,ESESは若干の改善,血液検査では血糖値を含め特に悪化した項目はなかった。1例では多剤服用時に認められていた心電図異常が改善しQTcが正常化した。各症例とも1年以上が経過しているが,臨床上重大な問題となる所見はみられず安定した状態を保っている。なお,今回は症例報告であり解釈には限界がある。多剤大量療法から脱却するための成功要因やその際の悪化を来す因子について,今後例数を増やして検討していきたい。
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