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Seishin Igaku Volume 60, Issue 6 （June 2018）

精神医学 60巻6号（2018年6月発行）

Japanese English

短報

緊張病症状にホルモン補充療法が有効であった統合失調症の1例 A Case of Schizophrenia with Catatonia Successfully Treated by Hormone Replacement Therapy 岡松彦 ^1,2 , 板𣘺彩 ³ , 森川一史 ⁴ , 大宮友貴 ⁵ , 梅津弘樹 ¹ , 三井信幸 ^1,2 Matsuhiko Oka ^1,2 , Aya Itabashi ³ , Kazushi Morikawa ⁴ , Yuki Omiya ⁵ , Hiroki Umezu ¹ , Nobuyuki Mitsui ^1,2 ¹市立稚内病院精神神経科 ²北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室 ³市立旭川病院産婦人科 ⁴市立釧路総合病院精神科神経科 ⁵医療法人優仁会滝川中央病院 ¹Department of Psychiatry, Wakkanai City Hospital, Wakkanai, Japan ²Department of Psychiatry, Hokkaido University Graduate School of Medicine ³Department of Obstetrics and Gynecology, Asahikawa City Hospital ⁴Department of Psychiatry, Kushiro City General Hospital ⁵Takikawa Central Hospital キーワード： Schizophrenia , Catatonia , Olanzapine , Estrogen , Hormone replacement therapy Keyword: Schizophrenia , Catatonia , Olanzapine , Estrogen , Hormone replacement therapy pp.681-686

発行日 2018年6月15日 Published Date 2018/6/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205622

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抄録　統合失調症の発症や経過においてエストロゲンは保護的に作用し，閉経などによりエストロゲンが低下すると症状が増悪することがある。症例は53歳女性，統合失調症。27歳時に幻覚妄想状態で発症し，37歳時より加療開始されたが，44歳時に服薬通院を自己中断した。約9年間の無治療期間の後に緊張病性興奮を呈し，当科入院後に亜昏迷状態に陥った。Olanzapineを開始して一度亜昏迷を脱したものの，以後約1か月ごとに緊張病症状を呈し1週間程度で自然軽快することを繰り返した。ホルモン補充療法を開始したところ緊張病症状は消褪し，約半年後にホルモン補充療法を終了したが寛解を維持した。統合失調症の緊張病症状に対するホルモン補充療法の有効性について考察を交えて報告する。