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セロトニントランスポーター3'非翻訳領域(5-HTT 3' UTR)遺伝子多型と痛覚閾値およびパーソナリティとの関連研究
Correlation Analyses between Serotonin Transporter (5-HTT) 3' Untranslated Region Genetic Polymorphism, Pain Threshold, and Personality
青木 淳
1,2,3
,
池田 和隆
2
,
大谷 保和
2
,
岩橋 和彦
1,2,3,4
Jun AOKI
1,2,3
,
Kazutaka IKEDA
2
,
Yasukazu OGAI
2
,
Kazuhiko IWAHASHI
1,2,3,4
1麻布大学環境保健学研究科 環境保健科学専攻保健生命系 神経生理学分野
2東京都精神医学総合研究所
3東京女子医科大学神経精神科
4麻布大学健康管理センター
1Laboratory of Neurophysiology the Graduate School of Environmental Health Sciences, Azabu University, Sagamihara, Japan
2Tokyo Institute of Psychiatry
3Department of Neuropsychiatry, Tokyo Women's Medical University
4Health Administration Center, Azabu University
キーワード:
Serotonin transporter 3' untranslated region;5-HTT 3' UTR
,
Polymorphism
,
TCI
,
Temperament and Character Inventory
,
Personality
,
Pain
Keyword:
Serotonin transporter 3' untranslated region;5-HTT 3' UTR
,
Polymorphism
,
TCI
,
Temperament and Character Inventory
,
Personality
,
Pain
pp.819-825
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101263
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緒言
セロトニン(5-HT)は,動植物界に広く存在する生体活性アミンであり,高等動物ではそのほとんどが神経系より末梢組織に分布している。その多くは腸クロム親和性細胞で生合成され,腸管蠕動亢進,血小板凝集,血管拡張などの作用を通じて機能しており,中枢神経系では古典的な神経伝達物質として摂食行動,睡眠,性行動,痛覚,認知などの生理機能を担っている。また,5-HTは気分障害,不安障害,摂食障害,薬物依存,統合失調症などの精神科領域の疾患の病態や,攻撃性などの人格傾向に関与していると考えられている10)。
また,5-HTは末梢では痛みを増強し,中枢において下行性抑制系により痛みを抑制することが報告されている13)。中枢神経系内に存在する痛覚抑制系として大脳皮質,視床下部,中脳水道灰白質などが知られ,最終的には脳幹に存在する5-HT神経核などから,脊髄後角表層へ下行する線維によって,選択的に痛みの伝達がコントロールされていることが明らかにされている17)。
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