Japanese
English
短報
抑肝散により偽アルドステロン症を生じたアルツハイマー病の1症例
A Case of Yokukan-San induced Pseudoaldosteronism with Alzheimer's Disease
熊谷 亮
1
,
松本 紘平
1,2
,
多田 祐子
1
,
松宮 美智子
1
,
白岩 恭一
1
,
宮川 晃一
1
,
一宮 洋介
1
Ryo KUMAGAI
1
,
Kohei MATSUMOTO
1,2
,
Yuko TADA
1
,
Michiko MATSUMIYA
1
,
Kyoiti SHIROIWA
1
,
Koichi MIYAKAWA
1
,
Yosuke ICHIMIYA
1
1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院メンタルクリニック
2現・順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院内科
1Department of Neuro-Psychiatry, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
2Department of Internal Medecine, Juntendo University Urayasu Hospital
キーワード:
Alzheimer's disease
,
Pseudoaldosteronism
,
Hypokalemia
,
Yokukan-San
Keyword:
Alzheimer's disease
,
Pseudoaldosteronism
,
Hypokalemia
,
Yokukan-San
pp.407-410
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100966
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はじめに
アルツハイマー病は記銘力低下や失見当識といった中核症状のほか,精神症状・行動障害などの辺縁症状を呈する。これらの辺縁症状はBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)として取り扱われるようになり,介護する際の問題・負担に大きな影響を与える要因として注目されるようになった3)。これらBPSDの治療には,非定型抗精神病薬や選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)などが用いられているが,患者の加齢に伴う薬物代謝能力の低下もあり,副作用や有害事象の出現が新たな問題となって生じやすい。そのような中で,漢方薬の抑肝散がBPSDの新たな治療薬として注目されている5)。
今回我々は,BPSDに対する薬物療法として抑肝散を内服していたところ,著しい低カリウム血症を呈したアルツハイマー病の症例を経験したので,考察を加えながら報告する。
なお,症例のプライバシー保護のため,記載にあたっては若干の改変を行っている。
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