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特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
プライマリ・ケアにおける精神医学の重要性とその研修方法―東北大学の場合
Significance of Psychiatry in the Primary Care
松岡 洋夫
1
Hiroo MATSUOKA
1
1東北大学大学院精神神経学分野
1Department of Psychiatry, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
Primary care
Keyword:
Primary care
pp.1033-1036
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100894
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プライマリ・ケアにおける精神医学の重要性
卒前の臨床実習および新医師臨床研修制度のいずれにおいても,精神科は必修科目として位置付けられた。これは言うまでもなく,生物・心理社会・倫理的医療モデルとしての全人的医療を実践している精神医学の視点が,医師にとって共有すべきものであることを意味している。ここではプライマリ・ケアの観点から臨床研修について述べたい。
WHOの報告(2000年)によると,障害者として生活する年数(Disability-Adjusted Life Year)を指標に疾患の占める割合を見たところ,感染症(29.7%)を除き臓器別疾患の中では精神神経疾患が全疾患の12.3%を占め第1位になっている。また,本邦の病床数は一般病床と精神病床を合わせると全国で約162万床あり,そのうち精神病床は22%も占めている(1999年,厚生労働省)。しかし,本邦の医師数約24万人の中で精神科医はわずか4.5%(約1万人)にすぎず,患者数の増加や入院患者数に対して精神科医が非常に不足していることがわかる。
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