Japanese
English
研究と報告
うつ病重症度スケールの妥当性検討―四大学における調査をもとに
Validity of Depression Severity Scale (DSS):On the basis of the investigation reports of four universities and medical colleges
小泉 暢大栄
1
,
塩入 俊樹
2
,
染矢 俊幸
2
Masataka KOIZUMI
1
,
Toshiki SHIOIRI
2
,
Toshiyuki SOMEYA
2
1新潟大学医歯学総合病院精神科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野
1Department of Psychiatry, Niigata University Medical and Dental Hospital
2Department of Psychiatry, Niigata University Graduate School of Medicaland Dental Sciences
キーワード:
Depression scale
,
Primary care
,
Sensitivity
,
Specificity
,
Positive predictive value
,
Accuracy
Keyword:
Depression scale
,
Primary care
,
Sensitivity
,
Specificity
,
Positive predictive value
,
Accuracy
pp.1241-1254
発行日 2005年11月15日
Published Date 2005/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100142
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録
以前我々は東京大学心療内科により開発された,抑うつ気分,興味の喪失および無価値感の3項目から構成される,うつ病重症度スケール(DSS)に関し,新潟大学医歯学総合病院精神科外来初診患者を対象に妥当性を検討し報告した。今回我々は福島県立医科大学,金沢大学,大阪市立大学の協力を得て,四大学で以下の調査をもとにDSSの妥当性を検討した。
対象は,2003年10~11月の2か月間に上記四大学の精神科を受診したすべての新患外来患者609名で,DSM-IV-TR診断に加えて患者および精神科医によるDSS評価を施行した。DSSの妥当性の指標を検討した結果,各大学間での違いはほとんどなく,四大学の平均は,感度80.1%,特異度61.3%,陽性的中度50.3%,精度67.4%となり,既報とほぼ同様の値をとったことから,DSSの有効性が再確認された。
また,プライマリ・ケアにおいても,3項目の厳密な評価に習熟すること,偽陽性群に含まれる主要な疾患の知識を持つことで,DSSはうつ病の診断に有用なtoolになる可能性があると考えられた。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.