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研究と報告
初発および再発統合失調症の急性期入院症例におけるクライエント・パス(患者による治療経過評価)を利用した治療経過の特徴
Characteristics of the Process of Acute Treatment in the Inpatients with the First- or Recurrent-episodes of Schizophrenia:As derived from analysis of the Client-pathway, the patient's self-assessments of the process of treatment
渡部 和成
1
Kazushige WATABE
1
1八事病院
1Yagoto Hospital, Nagoya, Japan
キーワード:
Acute treatment
,
Inpatient
,
Schizophrenia
,
Self-assessment
Keyword:
Acute treatment
,
Inpatient
,
Schizophrenia
,
Self-assessment
pp.161-169
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100389
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抄録
クライエント・パス(患者による治療経過評価)を用いた初発および再発統合失調症入院患者の急性期治療の結果を比較検討した。入院時BPRSが高い初発群のほうが入院期間は短かった。初発群ではパスの開始は遅い傾向があったが初期と回復前期の終了は再発群より早かった。各期での症状評価の改善度は両群で同様であった。患者心理教育への参加度は,初発群で初期と回復前期において再発群より高い傾向があった。以上より,初発群では入院時に重症であっても慎重にパスに導入すると早期の症状改善と治療に対する主体性の獲得を期待できる一方,再発群では早くパスを開始できるが抑うつ・不安症状が強く患者心理教育への主体的な参加が不十分であり長い入院になるように思われた。本研究の結果から,再発入院患者の治療では,患者に統合失調症治療への理解と主体性をよりいっそう高めることを促し,安心して治療に取り組めるようにサポートしていくことが重要であると思われた。
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