Japanese
English
短報
カウンセリングによって男性に対する同一感が消失した女性の1例
A Female Case Report of Cross-Gender Identification Removed by Counseling
古橋 忠晃
1
,
丸山 明
2
,
西岡 和郎
3
Tadaaki FURUHASHI
1
,
Akira MARUYAMA
2
,
Kazuo NISHIOKA
3
1名古屋大学学生相談総合センター/大学院医学系研究科精神健康医学
2野崎クリニック
3名古屋大学医学系研究科精神医学分野
1Center for Student Counseling, Nagoya University
2Nozaki Clinic
3Department of Psychiatry, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
Gender Identity Disorder
,
Cross-gender identification
,
Transsexualism
,
Counseling
,
Psychotherapy
Keyword:
Gender Identity Disorder
,
Cross-gender identification
,
Transsexualism
,
Counseling
,
Psychotherapy
pp.909-911
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100093
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はじめに
2004年7月,戸籍変更を認める性同一性障害特例法が施行され,性同一性障害は社会的にも大きな関心を呼びつつある。DSM-IV1)においては,性同一性障害の診断は「反対の性に対する同一感」と「自分の性に対する不快感」によってなされる。精神医学的に性同一性障害の診断が下されると,「性同一性障害の診断と治療のガイドライン」によって,ホルモン療法,手術療法などへと至る症例もある。しかし,実際の臨床においては,必ずしも明確で固定した「反対の性に対する同一感」を示さない症例に出会うこともある。今回,初めは「自分は性同一性障害だと思うから,ホルモン療法をしてほしい」という主訴で来院したが,しばらくのカウンセリングを経て,反対の性に対する同一感の消失した症例を報告する。
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