Japanese
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解説
Dipyridamole負荷試験
Dipyridamole stress test
安井 昭二
1
,
久保田 功
1
Shoji Yasui
1
,
Isao Kubota
1
1山形大学第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Yamagata University School of Medicine
pp.971-980
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910024
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抗狭心症薬として開発されたdipyridamoleは静脈注射や大量の経口投与を行うと冠動脈疾患患者において心筋虚血を誘発することが明らかとなった。現在ではdipyridamole投与によって心筋虚血が生ずるか否かにより冠動脈狭窄の有無を診断しようとするdipyrida-mole負荷試験の臨床的有用性が次々と報告され,本剤は冠動脈疾患の診断薬として脚光を浴びるに至った。Dipyridamole負荷試験における判定には,運動負荷試験と同様に心電図,心エコー図,Tl−201心筋シンチグラムなどが用いられている。心電図,心エコー図はdipyridamoleによって誘発される心筋虚血をそれぞれ,ST変化,左室壁運動異常から評価するものであり,Tl−201心筋シンチグラムはdipyridamoleによって生ずる心筋内血流分布異常を一過性欠損の有無から判定するものである。本稿ではdipyridamole負荷試験について,その歴史,方法論および臨床的意義を中心に概説する。
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