新時代の不整脈診療 突然死をいかにして防ぐか
心臓突然死をきたす病態とは
村上 正人
1
,
草野 研吾
,
大江 透
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科循環器内科
キーワード:
QT延長症候群
,
心筋梗塞
,
心筋症-拡張型
,
心筋症-肥大性
,
心電図
,
突然死-心臓
,
Torsades de Pointes
,
不整脈原性右室異形成
,
Brugada症候群
Keyword:
Cardiomyopathy, Dilated
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Electrocardiography
,
Long QT Syndrome
,
Myocardial Infarction
,
Torsades de Pointes
,
Death, Sudden, Cardiac
,
Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia
,
Brugada Syndrome
pp.431-439
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008289947
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心臓突然死をきたす主な器質的心疾患としては、冠動脈疾患、拡張型心筋症、肥大型心筋症、不整脈源性右室心筋症などがあげられる。器質的心疾患を認めずに致死的不整脈を起こすプライマリー不整脈疾患としては、Brugada症候群、QT延長症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍などがその代表であり、特徴的な心電図所見を認め、心筋のイオンチャネルの遺伝子変異が病態に関与している。心臓突然死をきたすいずれの病態においても、植込み型除細動器は二次予防に重要な役割を果たしている。高度な低左心機能を呈する心疾患、肥大型心筋症、プライマリー不整脈疾患などでは、致死的不整脈の既往がなくても一次予防として植込み型除細動器が必要な症例もあり、その適応の検討には十分な知識と経験が必要となる。
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