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特集 呼吸器疾患のQOL
多文化間における呼吸器疾患QOLの評価
Cross-cultural Validation of QOL Questionnaires used in Respiratory Medicine
小林 国彦
1
Kunihiko Kobayashi
1
1埼玉県立がんセンター
1Cancer Center, Respiratory Medicine Clinic
pp.235-240
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902434
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はじめに
健康状態の測定が哲学的思索の領域から脱却し,現実的で意義のある,科学的な試みに到ったのは,1970年以降である.一部の社会学者によりSickness Impact Profile(SIP)1)やMedicalOutcomes Study(MOS)36—item short-formhealth survey(SF−36)2)などの調査票(question—naire)が報告された.健康関連調査票で確立された方法論に,調査票が「ものさし」として標準性を有することの示す信頼性(reliability)と妥当性(validity)の証明法が含まれていた(表1).
健康状態の測定分野での方法論の確立により,健康に密接に関係するquality of life(QOL)の測定が可能となった.現在,QOLの研究が最も進んでいる分野の一つはがん領域であり,欧米においてEuropean Organization for Researchand Treatment of Cancer(EORTC)QLQ—C303)やFunctional Assessment of CancerTherapy Scale-General(FACT-G)4)などが報告され使用されている.国内においても呼吸器科領域のQOL研究はがん領域が先行し,現在,非がん領域の研究が盛んとなっている.
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