Japanese
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特集 手術と肺塞栓
肺塞栓の症状・所見・診断
Symptoms, Findings and Diagnosis of Pulmonary Embolism
国枝 武義
1
Takeyoshi Kunieda
1
1慶應義塾大学伊勢慶應病院内科
1Department of Internal Medicine, Ise Keio Hospital, Keio University
pp.889-896
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902153
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はじめに
肺動脈が塞栓子により急激に閉塞する疾患が急性肺塞栓症である.急激に右心系の機能障害が起こることから,古くより急性肺性心として知られている1).肺塞栓症は特異的所見に乏しく,今日なお診断困難な疾患の代表的なものとされている.再発を繰り返して発症することが特徴であり,臨床症状を現さない軽微なものから急性死に至る重篤なものまでがある.
わが国では肺塞栓症は少ないと言われてきたが,近年,わが国でも本症は増加の傾向にあり,発症即死亡するような肺塞栓症も稀ではなくなった2).本症は静脈系血栓症に続発して起こる急性死に至る重要疾患であり,呼吸器内科,循環器内科の領域にとどまらず,外科,整形外科,産婦人科などの臨床各科にまたがる疾患である.特に近年では,本特集で取り上げられているように手術に関連して発症する肺塞栓症が注目を集めている.
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