Japanese
English
Bedside Teaching
劇症型心筋炎に対する治療
Current Management of Acute Fulminant Myocarditis
青山 直善
1
,
河野 健
2
,
竹端 均
2
,
高橋 基
2
,
猪又 孝元
2
,
和泉 徹
2
Naoyoshi Aoyama
1
,
Ken Kohno
2
,
Hitoshi Takehana
2
,
Motoi Takahashi
2
,
Takayuki Inomata
2
,
Tohru Izumi
2
1北里大学医学部救命救急医学
2北里大学医学部内科
1Department of Emergency Critical Care Medicine, Kitasato University School of Medicine
2Department of Internal Medicine, Kitasato University School of Medicine
pp.281-287
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902060
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はじめに
急性心筋炎は,感冒様症状と心電図異常にとどまる軽症のものから,不整脈や心不全を生じて急速な経過で心原性ショックに陥り死亡するものまで多彩である.特に急激に発症し,ポンプ失調や重篤な不整脈を併発して急速な経過で心肺危機に陥り,時に死亡するものを劇症型心筋炎という.
近年,従来では救命し得なかった劇症型心筋炎症例が,大動脈内バルーンパンピング(intraaor—tic balloon purnping:IABP),経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support:PCPS)や補助人工心臓(ventricular assistantdevice:VAS)の使用により救命可能となり,積極的な急性期救命治療が提唱されている1,2).劇症型心筋炎の病態は心筋の器質的障害に機能的障害が加算された状態にあるといえる.この病態は約2週間の経過で推移する.したがって,たとえ極度の低心拍出状態や心静止状態に陥ったとしても,この心肺危機の期間を補助循環法の使用により凌ぐことができれば十分に回復が期待できる.しかし,循環補助法の導入適応,管理,離脱基準および合併症対策など,多施設問の調査を経て解決しなければならない課題が山積みである.
本稿では,劇症型心筋炎の診断および薬物療法から補助循環法に至る治療戦略およびPCPSの適応,管理・離脱法や合併症予防・対策を具体的に掲げ,その運用法を解説した.
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