Japanese
English
特集 肺癌—診断と治療の最前線
肺癌N因子の画像診断
Image Diagnosis of N Factors in Lung Cancer
加藤 治文
1
,
中村 治彦
1
Harubumi Kato
1
,
Haruhiko Nakamura
1
1東京医科大学第一外科
1First Department of Surgery, Tokyo Medical College
pp.339-343
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901875
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はじめに
肺癌の所属リンパ節転移は欄決定の重要な因子であり,症例の予後と密接に関連している.リンパ節は解剖学的に主として気管,気管支周囲に存在するため単純X線写真では肺門,縦隔の陰影に隠れ,読影は困難である.リンパ節の腫大が著たい場合に限り肺門陰影の拡大や気管分岐部の開大として読影できることもあるが,少数例に過ぎない.こうした状況を大きく変えたのがCTの出現であった.まず,腫瘍の縦隔浸潤の程度が術前に正確に把握できるようになり,診査開胸が減少した1).加えて,開胸下の検索で初めて明らかとなっていたリンパ節転移の術前診断が可能となった.CTが普及するようになった1980年代初頭を境にたて,遠隔転移の検索を含む肺癌病期診断の精度は飛躍的に向上したといえる.このように,肺癌進展度診断の歴史の上で,CTの果した役割はきわめて大きい。たかた、酵診断であるがゆえの限界も存在し,肺癌治療方針の変遷に伴って,より精度の高いN因子診断が求められつつあるのも事実である.
本稿では現在最も普及しているCTを中心とした肺癌N因子診断の現状と問題点を検討する.
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