Japanese
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Bedside Teaching
蘇生に重曹(炭酸水素ナトリウム)は必要か
Is Sodiunn Bicarbonate Necessary for CPR?
後藤 隆久
1
Takahisa Goto
1
1帝京大学医学部附属市原病院麻酔科
1Department of Anesthesiology, Teikyo University School of Medicine, Ichihara Hospital
pp.783-789
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901742
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ACLSガイドラインにおける炭酸水素ナトリウムの評価
1.かつては中心的治療法だったが…
心肺蘇生術を一度でもやったことのある人なら誰でも,心肺蘇生が時間との戦いであることを痛感しているだろう.そして,動かない心臓を一刻も早く再開させるために,あらゆる手段を尽くしこくなるだろう.心肺停止時から容赦なく進行する代謝性アシドーシスの補正もその一つである.極度のアシドーシスは生命維持に危険であり,まこ心筋の収縮性(contractility)を減弱させることなどが知られるようになり,1960年頃より,炭菱水素ナトリウム(重曹)を用いた蘇生中のアシドーシス補正がさかんに行われるようになった.1974年に公表されたAHA(Annerican HeartAssociation)のACLS(Advanced Cardiac LifeSupport)ガイドラインでは,炭酸水素ナトリウ層はエピネフリンと並んで蘇生術の中心的薬剤の一つであった1).
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