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綜説
シシリアン・ガンビット:抗不整脈薬の新しい分類体系
The Sicilian Gambit:A new approach to the classification of antiarrythmic drugs
児玉 逸雄
1
Itsuo Kodama
1
1名古屋大学環境医学研究所
1Department of Humoral Regulation, Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
pp.41-48
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901401
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はじめに
頻脈性不整脈の治療には従来,Naチャネル抑制を主作用とする薬物(Vaughan Williams分類1)のクラスI薬)が最も広く用いられてきた.しかし,CASTレポート(1989,1992)2,3)によってクラスI薬による治療が心筋梗塞後の不整脈患者の長期生命予後を悪化させることが示されてからは,不整脈の薬物治療に関するこれまでの考え方は激しく揺り動かされ,薬物開発も大きな転換期を迎えようとしている.このような潮流のなかで,不整脈治療薬の分類を見直し,単一チャネル,単一細胞の実験研究から臨床研究にまで至る最新の知識を統合して,実際の治療に役立つ新しい分類体系を作り出そうとする試みが始まった.それがGambit4,5)である.
本稿ではGambitが生まれた時代背景と,その意義,そして今後の課題について述べてみたい.
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