Japanese
English
Bedside Teaching
気管支喘息のフロセミド吸入療法
Treatment and Prevention of Asthmatic Attack with Inhaled Furosemide:A review
近藤 哲理
1
,
谷垣 俊守
1
Tetsuri Kondo
1
,
Toshimori Tanigaki
1
1東海大学医学部内科
1Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.365-369
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901037
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
気管支喘息の病態が気道の慢性炎症と考えられるに至り,その治療法もステロイドの定時吸入と補助的にβ刺激剤吸入を加えた吸入療法が中心となりつつある.一方,最近,気管支喘息の新たな予防・治療法としてフロセミドの吸入が報告されている1).本稿では,このフロセミド吸入療法の現況を紹介する.
フロセミドはループ利尿剤として広く用いられている薬剤であるが,気管支喘息に対する吸入療法は,1988年,Biancoら2)が運動誘発による気道収縮の予防効果を発表したのが最初の報告である.Biancoらが本剤を試みた理由は,ループ利尿剤によって気道上皮を介するNa+,K+,Cl−の輸送を調節して,運動時の気道内の浸透圧上昇を防ぐことを期待したのだが,その後の研究の結果,フロセミドの作用機序はかなり複雑なことが分かってきた3).その一方で,運動誘発喘息以外のさまざまな原因による喘息(気道収縮)にもフロセミド吸入が予防・治療効果があることが明らかにされつつある1).
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.