Japanese
English
装置と方法
トノメトリ法による血圧測定
Blood Pressure Measurement by Arterial Tonometry
劔物 修
1
Osamu Kemmotsu
1
1北海道大学医学部麻酔科
1Department of Anesthesiology, Hokkaido University School of Medicine
pp.1173-1179
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900970
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緒言
トノメトリ法は非観血的に,連続的に一心拍毎の圧波形を描出できる血圧測定法である.本法の基本的原理は眼圧測定(ocular tonometry)に端を発し,1963年に動脈血圧の測定への応用が報告されたが,当時のトランスデューサ技術は臨床で使用できるところまでは発達していなかった1).1984年,EckerleらはFBIの命を受けてトランスデューサの改良を進め,「うそ発見器」としてFBIに提供された.残念ながらこの事実は科学論文としては記載されていない.著者はミニチュアトランスデューサを用いての経皮的動脈血圧測定の可能性を1980年に報告している2).EckerleらのSRI International(Menlo Park,CA)と日本コーリン(小牧)の永年にわたる共同技術開発が進められ,トランスデューサ(センサ)とアルゴリズムの改良が行われて今日のトノメトリ装置(Jentow®)が誕生した.著者は開発,改良の早期からこのトノメトリ法の臨床評価の機会を得,これまでにその有用性について報告してきた3〜6).
本稿ではトノメトリ法による動脈血圧測定の原理,臨床評価,問題点などについて,これまでの成績と経験を踏まえて概説する.
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