Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
頸動脈洞マッサージが無効であった発作性上室性頻拍(以下PSVT)5例に対しdiving reflexを施行し3例が洞調律に回復した.摂氏約4度の氷水の入った洗面器の前に患者を座らせ深吸気の状態で約30秒間顔面を浸水させ無効時は2〜3分後再施行した.症例1は68歳の男でdive開始約11秒後PSVTは停止し房室接合部性,心室性収縮を含む約7秒間の洞停止を経て洞調律に回復した.症例2は51歳の男で同様の経過で23秒後洞調律に回復した.症例3は27歳の女でWPW症候群・dive開始6.6秒後に洞停止なく洞調律に回復した.症例4,5は72歳,73歳の男で無効例.ともに無呼吸時間が不十分な例であった.症例1,2では洞調律回復に20秒前後を要し無呼吸が関与,症例3は早期に回復し冷水刺激の影響が強いと推察した.ECG所見より症例1,2は房室結節性リエントリー,症例3は副伝導路の関与するリエントリーによるPSVTと思われた.本法は,PSVTに対する頸動脈洞マッサージより有効な治療手法であると思われた.
We attempted to use the diving reflex to treat PSVT in five patients, in whom carotid-sinus massage had failed to terminate, PSVT. In three cases PSVT converted to normal sinus rhythm. The patient was seated comfor-tably, and a pan of ice and water (4℃) was placed on the table in front of the patient.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.