Japanese
English
装置と方法
表計算型ソフトを用いたP50の計算方法
The Calculation of P50 with a Spreadsheet
西村 健司
1
,
下川 充
1
,
吉川 真由美
1
,
北川 和彦
1
,
北口 勝康
1
,
古家 仁
Kenji Nishimura
1
,
Mitsuru Shimokawa
1
,
Mayumi Yoshikawa
1
,
Kazuhiko Kitagawa
1
,
Katsuyasu Kitaguchi
1
,
Hitoshi Furuya
1奈良県立医科大学麻酔科
1Department of Anesthesiolog, Nara Medical University
pp.375-378
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900029
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歴史と背景
標準状態(pH=7.400,PCO2=40 mmHg,体温=37℃)における血液の酸素飽和度が50%であるときの酸素分圧がP50と定義されている.この値は酸素ヘモグロビン解離曲線(Oxyhemoglobin dissociation curve:以下ODCと記す)の移動を表現している.したがって,P50を知ることは生体の酸素需給を考えるうえで重要であり,その意義,重要性について述べた報告も多い1〜4).しかし,ODC自体がS字状曲線でありP50を求めることは容易なことではなく臨床応用されるに至っていない.現在,P50を求めるには,主な方法として,①ODCを描画し,そのグラフから実際に値を読みとる,②1点の測定でP50を計算式から求める5),③パーソナルコンピューターを用いてP50を求める,などの方法がある.
①の方法は,描画する機械が大がかりであり,臨床応用は困難である.②も測定された酸素分圧を標準状態に補正する必要があり,血液ガスと酸素飽和度の測定精度,温度管理などが問題となる.③の方法もプログラミングの知識を必要とするが,コンピューターの高性能化がそれをカバーしている.今回われわれが紹介する方法は③に含まれる.
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